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オカムラ歯科 渋谷医院
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歯周病

東洋医学と歯周病

岡村 興-
●抄 録●

近代医学(西洋医学)と伝統医学(東洋医学)の共生・結合を図る対象領域として最も代表的なものは漢方と鍼灸であるが、歯科領域においてもその応用範囲は広く歯科口腔医療のストラテジーとして重要な位置にいると思う。歯周疾患は歯牙疾患と並び歯科領域では大きなウェイトを占めている。歯周疾患の範疇と思われる東洋医学(中医学)の病名としては、牙癖(がよう)、牙宣(がせん)、牙府(がかん)、牙鮭(がじく)、牙周病(がしゅうびょう)などがある。現代の歯周病に該当するのが牙周病と解釈してよいが、西洋医学と東洋医学(中医学)とでは、疾病の発生過程に対する視点や疾病の定義設定概念に相違が見られる。しかし、そのなかにある両医学の類似性を、「統合」ではなく共生させるという考え方で取り組むと、新たな口腔疾患と全身との関係は不離一体のもので、特に歯牙疾患に比して全身との関わりが深い歯周疾患は、東洋医学との共生治療を図る上で格好の領域と言えると思う。

キーワード:東洋医学、漢方、鍼灸、共生、統一整体観

歯科東洋医学

医療の中で”歯科””口腔”という明確な座標をもって国家資格を与えられた専門医師は歯科医師をおいて他にない。口腔医師として関わる歯科東洋医学の範囲は広く、東洋医学と呼ばれる広義の内容すべてにわたり、かつ臨床応用が可能である。しかし現在の医療制度・教育制度のなかで西洋医学との共生(あるいは結合)を図り、相互のシステム化を図るとすれば、中国が源流とされている伝統医学(食養・湯液・鍼灸・推拿・按摩・按矯・導引・養生)の範疇の湯液と鍼灸がその代表的なものといってよい。また「医食同源」「薬食同源」の言葉が示すように食養生も重要である。中国周王朝の制度習慣を述べた『周来』によれば、最高位の医師は「食医」で、現代の内科系医師、外科系医師に該当する「疾医」や「傷医」よりもランクが上であったとされる。いずれにしても“食”の重要性は古くから指摘されており、“未病を治す”という考え方とあわせて、食養生は言わば健康の入口としての口腔を担当するわれわれ歯科医師において格好の領域と言える。(注:筆者は東洋医学の臨床現場における応用戦略のひとつとして、一次予防に特化した「漢方サプリメントドック」を開始している。)

  過去の歴史的経緯を踏まえ将来にわたる歯科の東洋医学の確立を展望すれば、臨床応用技術としての価値は当然のこととして、その学問的構造をしっかりと把握する必要が在ると思う。代替医療、統合医療あるいは包括的医療のなかで歯科東洋医学を語る場合、数多ある療法のなかでの歯科領域における一応用技法ということであってはならない。「口腔漢方(歯科漢方)」、「歯科鍼灸」というネーミングとその専門領域は世界的に見ても日本独自のもので、口腔生理機能の全身における特殊性と一般性をつなぐ重要な分野としてもっと社会的(制度的)に認知してもらう必要がある。「温故知新」という意味においても、東洋医学の歴史的価値を尊重しながら口腔に対する新たな視座を形成しそれと平行して日本発の歯科医学における国際的医学領域として確立されるべきものと思う。

図1 プライマリー・ヘルス・ケアと歯科東洋医学
Fig.1 Primary Health Care and Dentistry of Oriental Medicine

東洋医学と歯周病

東洋医学(中医学)の文献にある“歯漏”、“歯挺”、“風疳”、“骨槽風”などは牙周病(歯周病)に属するもので、その内容は多様化している。しかし、その発生原因から中医学的に分類すると、主たるものは次に述べる四種類にまとめることができる。 ○気血虚弱…胃脾の虚弱、体力の消耗などにより気血が不足すると、歯肉への滋養が低下して歯肉の退縮や動揺を起こす(図3)。 ○腎元不足…歯は「腎気」によって滋養されているため、腎気不足になると歯牙の動揺を誘発する(図4、5)。 ○口腔不潔…口腔衛生管理の不足

胃腸積熱
  • ■主要症状
    歯肉の腫脹疼痛、出血、排膿、口臭、ロ苦、ロ乾、尿少黄色、便秘傾向、舌苔黄膩、舌質紅、脈滑数
  • ■治療方法
    「清熱化湿」胃・大腸の機能低下による湿熱の上昇を改善
  • ■処方方薬
    「清胃散加減」牡丹皮・生地黄・升麻・黄連・当帰
  • ■鍼灸処方
    「合谷」内庭」「曲地」「足三里」「下」「天枢」

図2 胃腸積熱/弁証
Fig.2 Stomach and Large intestine hyperfunction/Diagnosis

気血虚弱
  • ■主要症状
    歯肉萎縮、歯牙弱動揺、歯根露出、軽度の出血、ポケット歯周滲出物希薄、疲労無力感、顔色精彩不足、舌淡胖大、舌辺歯痕、舌苔薄爬苦白、脈沈・細
  • ■治療方法
    「益気養血」脾胃の強弱による気血不足の改善
  • ■処方方薬
    「八珍湯加減」人参・白朮・茯苓・甘草・当帰・白芍・川・地黄
  • ■鍼灸処方
    「百会」「足三里」「脾兪」 「気海」「三陰交」

図3 気血虚弱/弁証
Fig.3“Qi”(Vital energy)and“Ketsu”(Redliquid,Blood)insufficient/Diagnosis

腎陽不足
  • ■主要症状
    歯肉萎縮、歯牙弱動揺、咬合力低下、歯根露出、充血・出血不明瞭、顔色白・元気なし、腰膝倦怠、顔面・下肢の浮腫、食欲減退、夜間多尿、水様便、舌質淡胖、舌苔白薄、脈沈・細
  • ■治療方法
    「温腎補陽」「益精固歯」腎陽の不足(腎陽虚)を改善
  • ■処方方薬
    「右帰飲加減」 熟附子片・肉桂・熟地黄・山薬・山茱萸・杜仲・枸杞子・灸甘草
    「八味地黄丸」 附子・桂枝・熟地黄・山薬・山茱萸・茯苓・牡丹皮・沢瀉
  • ■鍼灸処方
    「中」「足三里」「復溜」 「天枢」「関元」「命門」

図4 腎元不足(腎陽不足)/弁証
Fig.4 Kidney yang-ki deficiency/Diagnosis

腎陰不足
  • ■主要症状
    歯肉浮腫、歯牙弱動揺、咬合力低下、歯根露出、鈍痛、歯間部出血、ロ渇、ときに眩暈・耳鳴りの随伴、腰膝倦怠、生理不順、遺精、煩熱盗汗、舌質紅、舌苔薄少、脈細・数
  • ■治療方法
    「益腎養陰」腎陰の不足(腎陰虚)を改善
  • ■処方方薬
    「左帰飲加減」熟地黄・山薬・山茱萸・茯苓・枸杞子・灸甘辛
    「六味地黄丸」熟地黄・山薬・山茱萸・茯苓・牡丹皮・沢瀉
  • ■鍼灸処方
    「復溜」「腎兪」「三陰交」 「太谿」「志室」

図5 腎元不足(腎陰不足)/弁証
Fig.5 Kidney yin-fluid deficiency/Diagnosis

歯科東洋医学の可能性

 東洋医学はその療法の種類により、歯科疾患への関わりかたを少し異にする。鍼灸療法は表から裏に向かう経路臓腑の空間的治療法が得意で、漢方療法は疾病の推移に対していく時間軸的治療法が得意といえる。また食養は日常的身体ケアの手法として身体ベースの本質に働きかける。基本的にはどの療法でも、歯科疾患や口腔症状に直接的あるいは間接的な応用を可能としている。しかも、従来の歯科臨床の内容と範囲に工夫を加えれば、その応用範囲はさらに広がり、東洋医学の歯科的応用は疾病治療にとどまらず、予防、養生・看護あるいは増進のステージにまで及ぶ。要は東洋医学のもっている懐の深さを良く理解し、そこから得られた知識や技術を歯科医療の主要側面である学問・技術・社会の各側面にどのようにうまく結び付けていくかということである。それがうまく達成されれば、歯科医療技術の向上と歯科医療領域の拡大が図れ、さらに歯科医療意識の変革が可能となろう。

 東洋医学と西洋医学の統一(医療)あるいは統合(医療)という考え方があるが、それぞれの特質をよく調べていくと、互いに自立しながら相互補完する共生(医療)方向が正しいと思われる。グローバル・スタンダードと呼ばれる価値観と競争原理に念じ曲げられた西洋医学の不完全な部分があるとすれば、それを修正するものは共生の原理といってよい。「東洋的であること」これはすなわち平衡原理の活用、共生原理そのものである。どちらかに取って代わるのではなく、西洋医学(近代医学)と東洋医学(伝統医学)、さらに口腔(部分)と全身(全体)、肉体(粒子性)と精神(波動性)の対比の中で歯科医療に共生原理を導入した『Symbiotic Oral Health Care』が強く望まれる。
(cf.Collaborative Oral Health Care,Integrative Oralhealth Care)

参考文献
(雑誌・論文)
  • 1)岡村興一:「東洋医学(伝統医学)の役割と高度先端医療」『日本歯科先端技術協会会誌』Vol.7-No.1,2001,Jan.
  • 2)岡村興一:「日本歯科東洋医学会の最近の動き」『中医臨床』(東洋学術出版社)vol.23-No.1,2002.
  • 3)岡村興一:「21世紀の歯科医療」日本歯科東洋医学会誌 Vol.20-No.1・2,2001.Sep.
  • 4)岡村輿一:「漢方の合理的視点」ザ・クインテッセンス Vol14-No.3,1995.Mar.
(書籍)
  • 1)岡村興一:口腔漢方講座テキスト,PTPシステム研究所, 1989.
  • 2)岡村輿一:歯科漢方-システム口腔漢方医学-,デンタルフォーラム社,1991.
  • 3)岡村興一:「Alternative Medicine臨床への応用・歯科領域」(分担執筆)『看護のための最新医学講座(第33巻)』2002. Aug.中山書店.

Oriental Medicine and Periodontal Disease
Koichi OKAMURA,
0kamura Dental Clinic:PTP System Research Laboratory

 Althoug traditional Chinese medicine and acupuncture/moxibustion are often referred as the representative of targeted field for planning a possible symbiosis and combination of modernmedecine(Western medicine)and traditional medicine(Oriental medicine),its range of application seems to be wide and take an important position as a strategy of oral treatment in the dental practice.
Periodontal disease accounts for a large proportion in the dental field similar to the case of dental disease.Those disease which are considered to belong to the definition of disease between western and oriental medicines(Chinese medicine)When the similarity between the two medicine is grasped in a way of thinking of symbiosis but not of integration,a novel vantage point of oral disease could be visualized.Based on the concept of unified body arrangement being a basic somatic and/or pathological consept in the oriental medicine,the relation of oral disease to the whole body is said to be of nonseparated unity.In particular,comparing to dental disease,periodontal disease having a deep relevance to the whole body is considered to be a suitable field for planning a symbiotical treatment with the oriental medicine.

Key words: Oriental medicine,Chinese medicine,Acupuncture/moxibustion,Symbiosis,Unified body arrangement

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